公開:2019年8月7日
乳幼児期には、たくさんの予防接種を受ける必要があります。
赤ちゃんを連れて医療機関を受診したり、子どもの体調に合わせて接種時期を計画するのはたいへんなことです。しかし、命にかかわる病気や、重い後遺症が残る恐れのある病気を防ぐために必要なことですから、忘れずに接種を受けましょう。また、成長の節目ごとに実施される子どもの健康診査は、健康状態や発達を知る貴重な機会です。地域の医療機関や保健センターなどで受診をしましょう。
◆子どもの予防接種の種類とは?
乳幼児期に受ける予防接種には、「定期接種」と「任意接種」があります。定期接種のワクチンは予防接種法に定められたもので、市区町村が費用を負担するため、無料で受けられます。一方、「任意接種」はそれ以外のもので費用は原則、個人負担になります(市区町村が、任意接種のワクチン費用の一部を補助する場合もあります)。定期接種、任意接種のワクチンの種類は以下のようになります。
定期予防接種の対象となる病気 | ワクチン名 | 主な対象者(※1) | |
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A類 疾病 |
・ジフテリア ・百日せき ・ポリオ ・破傷風 |
4種混合ワクチン | 第1期:生後3月から生後90月に至るまで 第2期:11歳以上13歳未満 (第2期はジフテリア・破傷風のみ) |
・麻しん ・風しん |
MR(麻しん風しん混合) ワクチン | 第1期:生後12月から生後24月に至るまで 第2期:5歳以上7歳未満のうち就学前1年 |
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・日本脳炎 | 日本脳炎ワクチン | 第1期:生後6月から生後90月に至るまで 第2期:9歳以上13歳未満 |
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・結核 | BCG | 生後1歳に至るまで | |
・Hib感染症 | Hib(ヒブ)ワクチン | 生後2月から生後60月に至るまで | |
・肺炎球菌感染症 (小児) | 小児用肺炎球菌ワクチン | 生後2月から生後60月に至るまで | |
・ヒトパピローマウイルス感染症 (子宮頸がん) | HPVワクチン | 小学6年~高校1年生相当の女子 | |
・みずぼうそう(水痘) | みずぼうそうワクチン | 生後12月から生後36月に至るまで | |
・B型肝炎(※2) | B型肝炎ワクチン | 生後1歳に至るまで | |
※1 ワクチンによって、定められた期間の間隔をおいて複数回接種するものもあります。 ※2 B型肝炎は、平成28年10月から定期予防接種の対象となる病気に追加されました。 |
◆子どもの予防接種を受けるときの流れ
ワクチンによって摂取する時期や回数が異なります。定期接種の予報接種については市区町村から案内が届きますから、それを参考にスケジュールを考えます。特に0~1歳過ぎにかけては接種するワクチンが多いため、適切なタイミングを逃さないように接種を始めましょう。予防接種は地域の小児科などのかかりつけ医に予約を入れ、受診します。当日は、家庭に届いた予診表に必要事項を記入し、母子健康手帳とともに持参します。子どもの発熱や体調不良などで予定の時期に接種が受けられなかったときは、その後の対応をかかりつけ医に相談しましょう。
◆自治体で受けられる子どもの健康診査
子どもの病気の早期発見や、健やかな成長・発達のために行われるのが乳幼児健康診査です。市区町村が行っているため、無料で健診を受けることができます。健診時期は、3~4か月、6~7か月、9~10か月、1歳6か月、3歳となっています。かかりつけ医で健診を受ける場合と、地域の保健センターなどで受ける場合があります。
乳幼児健康診査では、身長・体重などの測定や医師による診察などが行われ、子どもの発育・発達、病気の有無などをチェックします。特に保健センターで行う健康診査では、医師や歯科医師、保健師、栄養士、心理士などの専門家が、幅広い視点から健診を行っています。発育や予防接種などの医療・健康面だけでなく、育児の不安やしつけ、離乳食など生活面の悩みも相談できますから、幼い子どもを育てる家庭はこうした機会を積極的に活用しましょう。
厚生労働省 予防接種情報
(参考)
政府広報オンライン 予防接種って何?