公開:2019年8月7日
妊娠中から出産にかけては、産婦人科での定期検診や分娩はもちろんのこと、マタニティ用品やベビー用品の準備なども合わせると、大きな費用がかかります。こうした妊娠・出産の経済的負担をサポートするために、国や健康保険、市区町村などでは各種の手当や補助を行っています。
◆健診費用を補助してもらえる「妊婦健診補助」
妊婦中は、妊婦さんの健康状態や赤ちゃんの育ち具合をみるために、定期に健診を受ける必要があります。
この妊婦健診の費用14回分を、市区町村が補助するのがこの制度です。補助額や利用方法は自治体によってさまざまですが、市区町村から受け取った受診券を医療機関に提出するタイプが多くなっています。詳細は、住んでいる市区町村に確認しましょう。
<対象>
・妊娠中の女性
<金額>
・妊婦健診費用14回分(その他、独自に補助をしている市区町村もあります)
<手続き時期>
・妊娠がわかったら
<問い合わせ>
・各市区町村の担当窓口
◆出産費用をカバーする「出産育児一時金」
健康保険により入院・分娩の費用を補助するのが、出産育児一時金です。
妊娠4か月以上(85日以上)で出産した人が対象で、金額は42万円(産科医療補償制度に加入している施設で出産した場合。それ以外の施設では40万4000円)になります。出産育児一時金の利用の仕方には、分娩する医療機関の規模等により、2種類あります。医療機関が直接健康保険に請求をする「直接支払制度」と、産婦さんが健康保険に医療機関を受取り代理人として申請する「受取代理制度」です。どちらの制度が利用できるか、分娩を予定している施設で確認をしましょう。
<対象>
・妊娠4か月以上(85日以上)で出産した人
<金額>
・42万円
<手続き時期>
・妊娠中、出産後の退院時など
<問い合わせ>
・分娩予定の施設、加入している健康保険(勤務先の健康保険、国民健康保険など)
◆医療費が年10万円を越えたら、「医療費控除」
家族の1年間の医療費の自己負担額合計が10万円を超えた場合、所得税の医療費控除ができます。
妊婦健診補助や出産育児一時金などを差し引いて、妊娠中から産前産後の医療費がかかった家庭は、確定申告の医療費控除をすると、所得税の一部が戻ってくることがあります。
<対象>
・1年間の医療費の自己負担額が10万円を超えた家庭
<金額>
・対象者によって異なる
<手続き時期>
・翌年の1~3月中旬(確定申告時期)
<問い合わせ>
・各市区町村の担当窓口、地域を管轄する税務署など
◆国民年金保険料の免除
出産する人が国民年金の第1号被保険者であれば、2019年4月から、産前産後期間(出産予定日または出産の前月から4か月間)は、国民年金保険料の免除が受けられるようになりました。産前産後の免除期間は、保険料を納付したものとして扱われます。
<対象>
・妊娠4か月以降で出産予定の人、出産した人
<金額>
・国民年金保険料4か月分
<手続き時期>
・出産予定日の6か月前~産後
<問い合わせ>
・各市区町村の担当窓口
(出典・参考)
厚生労働省 国民年金の産前産後期間の保険料免除制度
①妊娠から産後までの手当・援助
②子どもが生まれてからの手当・援助
③地域の子育て仲間をつくろう!
④子どもについての相談窓口
⑤幼稚園、保育所、認定こども園の違い