公開:2019年8月7日
寒くなって「インフルエンザ」が流行し始めると、子どもや高齢者のいる家庭では、感染が心配になるものです。自分や家族が発症しないためも、また感染を周囲に広げないためにも、病気の特徴を知り、予防を心がけたいものです。
また近年、年によって流行が見られるのが「風疹」です。風疹は大人が感染すると重症化しやすく、特に妊婦さんが感染すると赤ちゃんに障害が生じることがあります。正しい予防法を知っておきましょう。
◆「インフルエンザ」はワクチンと手洗いで予防
・どんな病気?
インフルエンザウイルスに感染することで発症します。
大きな流行になるウイルスはA型とB型に分類されますが、どの地域でどの型が流行するかは毎年異なります。感染すると、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの強い症状が現れるのが特徴。のどの痛み、鼻汁、咳なども伴います。子どもが感染するとまれに急性脳症を起こす例があるほか、高齢者や免疫力の低下した人は重症化することがあります。
インフルエンザ | 風邪 | |
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症状 | 38度以上の発熱 | 発熱 |
全身症状 (頭痛、関節痛、筋肉痛など) | - | |
局所症状 (のどの痛み、鼻水、くしゃみ、咳、など) |
局所症状 (のどの痛み、鼻水、くしゃみ、咳、など) |
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急激に発症 | 比較的ゆっくり発症 | |
流行の時期 | 12~3月(1月~2月がピーク) ※4月、5月まで散発的に続くことも |
通年、特に季節の変わり目や疲れているときなど |
・予防をするには?
流行前にワクチンを接種すると、発症を減らしたり、発症時の重症化を防ぐ効果があります。
例年、12月~翌年の4月頃にかけて流行し、ピークは1月下旬~3月上旬なので、12月中旬までに接種をすると安心です。そのほかに外出後や食事前に流水・石鹸で十分に手を洗う、流行期には人混みや繁華街への外出を避ける、といったことも予防として有効です。
・かかってしまったら
無理をして学校や職場などに行かず、安静と水分補給を心がけ、体を休めましょう。
高熱などで辛い場合は医療機関を受診します。学校保健法では、インフルエンザは「発症後5日を経過し、かつ、解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで出席停止」となっています。
◆「風疹」は、抗体検査またはワクチン接種を!
・どんな病気?
風疹ウイルスが原因の感染症です。くしゃみや咳でウイルスを含むだ液などが飛び散ることで、飛沫感染します。
1人の患者から5~7人に感染が広がるという感染力の強さが特徴です。主な症状は発熱や発疹、首などのリンパ節の腫れ、関節痛など。通常は数日で回復しますが、まれに高熱が続く、急性脳炎を生じるなど、症状が重くなることがあります。また、妊娠初期(20週頃まで)の妊婦さんが風疹に感染すると、赤ちゃんの目や耳、心臓などに障害(先天性風疹症候群)を起こす可能性が高くなります。
・予防をするには?
風疹にかかったことがない人や風疹の予防接種を受けていない人は、ワクチンが有効です。
昭和生まれの世代では、ワクチンの定期接種を受けていないか接種回数が少ないなど、風疹の免疫が十分でない場合が少なくありません(下表)。特に妊婦を考えている女性とその家族、アジアアフリカ地域へ渡航する人は、風疹の抗体検査またはワクチン接種が勧められています。すでに妊娠している女性はワクチン接種ができないため、流行地や人混みを避けるなどの注意が必要です。
生年月日 | 定期接種と免疫の状況 |
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昭和37年4月1日以前 | 接種なし(多くの人が自然感染で免疫獲得) |
昭和37年4月2日~昭和54年4月1日 | 男性/接種なし 女性/1回接種、中学生時に学校で集団接種 |
昭和54年4月2日~昭和62年10月1日 | 1回接種、中学生時に医療機関で個別接種 |
昭和62年4月2日~平成2年4月1日 | 1回接種、幼児期に医療機関で個別接種 |
平成2年4月2日~ | 2回接種 (十分な免疫を獲得) |
・かかってしまったら
感染が疑われるときは職場などに出かけず、医療機関を受診します。学校保健法では、発疹が消失するまで出席停止となります。妊娠中の女性やその家族に風疹を疑う症状があるときは、すぐにかかりつけ医に相談をしてください。
厚生労働省 インフルエンザQ&A
厚生労働省 風疹について