～代表メッセージ～

人は最期まで誇らしく暮らしていける

　アクラスタウンは、外観、内装ともに天然の無垢材をはじめ、自然素材をふんだんに使用した快適な住空間が特長の集合住宅です。例えるならば高級旅館、高級ペンションのような心癒される雰囲気に包まれています。”人が集い、心が集う住まいへ”という理想を掲げ、入居者の立場に立った集合住宅作りをめざし建物の造りにこだわったわけですが、入居者の皆さんの反応は私の予想を上回るものでした。”建物の造りが人の心をこんなにも一変させるのか”。そんな新たな発見があったのです。例えばある一人の認知症の方の話なんですが、この環境の中で暮らし始めてから様子が大きく変わってきました。その方は、この建物に対して大きな誇りを持つようになったと言います。その誇りと言うものが、”自分は歳をとってもうダメなんだな”と言うやるせない思いを吹き飛ばしてしまったのです。行動も顔つきもシャキッとして、これまでとまったく違う姿がそこにありました。人間性の回復、そんな力がアクラスタウンの建て方、造り方の中にあるんだなあと気付き改めて驚いています。

■”建物の造りが人の心をこんなにも一変させるのか”という新たな発見があったんですよ。

　そして、これからはコレクティブハウスのコンセプトである”多世代が集う暮らし”の実現に向けて動き始めていきます。私は、高齢者の方が”自分は老人ホームに入れられた”と思わない、ワクワク感のある生活環境をつくるためには、若者の力が必要だと思っていました。しかし、実際にオープンして感じたのは、”今のままでも入居者の方たちは、自分たちで社会を作ってイキイキと暮らしているじゃないか！”と言うことなのです。すでに豊かなコミュニケーションができている。入居者の皆さんに、まるでご近所づきあいのような心豊かな社会生活をここで送ってほしい、そんなオープン前に描いていた私の理想通りになっているのです。このことが大きな驚きでした。そして、最初に掲げた理想である多世代が集い支えあう環境が実現できたなら、もっともっと、素敵な社会ができていくのだろうなあという期待で一杯です。

　国や地方自治体の皆さんは”高齢者は自分らしくイキイキと暮らせるような社会環境づくり”というメッセージを常に発信しています。でも、そのような社会はいったいどこにあるのか、見た人はいるのか、そう思うのです。アクラスタウンでは、すでに入居者の皆さんが自分らしく暮らしています。私は、その姿を、人は最期まで誇らしく暮らせるということを、さまざまな垣根を越えて広く世の中に発信し、高齢者の皆さんが豊かな暮らしを送ることができる場づくりを広めていきたいと考えています。

株式会社 誠心　代表取締役 吉松泰子