白根健生病院は信濃川、中之口川を含む、広大な新潟平野の中央に位置し、半世紀に渡って旧白根市、旧西蒲原郡や旧小須戸町の医療を担ってきました。現在これらの地域は政令都市としての新潟市に含まれますが、歴史・経済的には独立性の高い医療圏です。
さて、人口高齢化の波は全国津々浦々に拡がり、新潟も例外ではありません。医療における情報は、高齢者医療・介護、地域包括ケアシステムなどがその多くを占めるようになり、また医療費を抑制するために病床機能が厳しく設定されようとしております。高齢者の人口比が増大するほど高齢者の意見が多数意見となり、さらに高齢者に対する社会保障や医療が喫緊の課題となります。地域包括ケアシステムはこうした高齢化社会を見据えたプランであり、増大し続ける医療を抑制し、効率のよい、しかも地域の実情に合った医療を計画するものと思われます。
しかしながら、このような医療改革のなかでも、地域には中核となるべき急性期病院が必ず必要です。介護や高齢者住宅では病気は治らない、患者の健康そのものを保証するものではありません。一般医療機能を整えた機能的な病院を整備し、患者のニーズに合った治療を実践することが、良質の医療を提供するために必須のことです。高齢者のみならず、若い世代の健康維持に貢献する、良質な医療を提供することが地域に明るさをもたらすものです。
厳しい医療環境の中、2013年11月には病院新築計画が決まり、2015年には完成の予定です。しかし、外観や建物だけでは良質な医療を提供できるとは限りません。今までの旧態然とした組織体制を大胆に変革し、病院職員が喜んで勤務できるような病院になってこそ、患者の信頼を得ることができるのではないかと思うのです。さらには、新潟市南部地域の中核病院としてフレキシブルな、独自性のある医療を提供できる病院に変貌する必要があります。医療の根本理念は命を救うこと、苦しみを取り除くことにあります。重い不治の病であっても、あるいはどんなに不利な状況にあっても、諦めずに、そして生きていると実感してもらえるような医療を提供すること、これが我々の目標です。この目標と、さらに2年後の新築移転を見据え、病院機能の充実・改善に取り組んでいきたいと思っております。
病院長 黒崎 功

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