学校法人桃山学院の創立は、1884年(明治17年) イギリス聖公会の伝道師、ワレン師（Charles Frederick Warren）が大阪の「川口外国人居留地」（現在の大阪市西区川口町）の聖三一教会の一室にわずか11名の小さな男子校（三一小学校）を設立したことからはじまりました。今から129年前、当時はまだ明治憲法（1889年）も発布されておらず、この年はアダム・スミスの『富国論』が初めて日本で翻訳・出版された年でもあります。

　この地にまかれた小さな種はやがて大きく成長し、1912年（大正元年）には現在桃山学院中学校高等学校のある阿倍野区昭和町キャンパスへ移転し、生徒数が500名を超えるまでになりました。当時の写真を見ますと、周囲を緑に囲まれた田園地帯の中に大正元年の建物としてはとりわけてモダーンな欧風校舎が建ち、世界に向かって開かれた学校、そんな雰囲気を漂わせています。当時の若者たちにとってはさぞや憧れの的となったことでしょう。本学の伝統となっている「自由な気風」もこうした歴史の中から育まれてきたものといえます。

　大学の開学は、キリスト教新教日本伝来100年にあたる1959年（昭和34 年）のことです。この年は現在の天皇陛下と皇后陛下がご成婚なされた年でもあります。桃山学院大学の開学式には英国聖公会カンタベリー大主教フィッシャー博士も臨席され、厳かに盛大に執り行われました。現在の桃山学院大学は5学部６学科、4大学院研究科、学生7000名を擁する社会科学系の総合大学として発展し、今年で54年の歴史を重ねております。
　このような歴史をもつ桃山学院大学は、「キリスト教精神に基づいて人格を陶冶し、世界の市民として広く国際的に活躍し得る人材の養成」を教育理念とし、つねに行動力のある「世界の市民」の養成につとめてきました。そのキリスト教精神とは桃山学院の歴史を貫く「自由と愛の精神」です。「自由」とはひとりひとりの人格と主体性を尊重すること、「愛」とは互いに仕えあいながら他者と共生することです。この「自由と愛の精神」は、たんにキリスト教の立場だけではなく、人類共通の普遍的な理念でもあり、本学の理念的土台でもあるのです。

　さて、学生の皆さん！人生のいつに戻ってみたいかと聞かれたら、多くの人が学生時代と答えるのではないでしょうか。大学生活の4年間は、青春時代特有の苦悩を伴うものであっても、「光り輝く黄金のとき」です。この大切な4年間という時間に「自由」な気風の中で、皆さんのもつすべてのエネルギー、多彩な能力を傾注し、自分の限界に挑戦し、知恵の深さに、命の輝きに触れてみてください。そして、悔いのない4年間を過ごしてください。加えて、人は決して一人ではなく他者（仲間）とともに生きていることを忘れないでください。本学の「愛の精神」とは常に他者への想像力を求めるものなのです。
　私たちも皆さんのエネルギーをしっかりと受けとめ、活力のある魅力的な大学づくりに邁進して行きたいと思います。

桃山学院大学学長
前田 徹生

◆国際教養学部
・英語・国際文化学科
語学力と異文化コミュニケーション能力を培います。
※2015年4月、国際教養学科から名称変更予定（変更届出済）

◆社会学部
・社会学科
社会の問題点を分析し、解決方法を導き出します。
・社会福祉学科
福祉の現場を実践的なカリキュラムから学びます。

◆法学部
・法律学科
リーガルマインドと豊かな教養を身につけます。

◆経済学部
・経済学科
経済学の視点から社会の問題点を捉える力を学びます。
・中国ビジネスキャリアコース
経済学と中国ビジネスへの理解を深めます。

◆経営学部
・経営学科
経営の実践的知識をグローバル&ローカルに学びます。