私ども日本年金機構は、発足から6年目を迎えました。
第1期中期計画期間（平成22年1月～平成26年3月）においては、年金記録問題を最優先課題として、全力を挙げて取り組んだ結果、「ねんきん特別便」の送付や「紙台帳等とコンピュータ記録の突合せ」など、年金記録問題への集中的な取組は、概ね計画通り目標を達成し、一つの節目を迎えることができました。
　しかしながら、なお解明されていない記録が存在している状況にあることから、引き続き「ねんきん定期便」、「ねんきんネット」での加入状況の確認や年金請求時等をはじめとしたお客様からの年金記録に関するお申出等に対して、必要な調査などの対応を継続して行い、一人でも多くの方の記録回復につながるよう精力的に取り組んでまいります。
　なお、年金記録問題への集中的な取組の結果、年金記録が見つかり年金額が再計算になるケースが増加し、処理に時間を要していることにつきまして、お詫び申し上げます。強化した処理体制を維持して処理の促進に努めてまいります。
　昨年4月からスタートしております第2期中期計画（平成26年4月～平成31年3月）では、年金記録問題に引き続き対応していくとともに、基幹業務の再構築、年金制度改正への対応、業務・システム刷新、加えて事務処理の正確性の確保に力を入れてまいります。
　基幹業務の再構築につきましては、適用、徴収、相談、給付、それぞれに幅広いテーマがありますが、中でも国民年金保険料の納付率向上と厚生年金保険の適用促進が大きなテーマであると考えています。
　国民年金保険料の納付率は、まだまだ一里塚ではありますが、平成25年度の現年度納付率が全国ベースで60.9％となり、目標を達成することができました。第2期中期計画においては、計画期間中に現年度納付率を「60％台半ばを目指す」ことを目標としています。目標達成に向け引き続き努力してまいります。
　また、厚生年金保険の適用につきましては、法人登記簿情報、所得税の源泉徴収義務者情報など外部の機関から提供いただきますデータとの突合せにより、適用調査対象事業所の的確な把握及び適正な適用を進めてまいります。
　年金制度改正への対応は、本年10月の被用者年金一元化や平成28年10月の短時間労働者への厚生年金保険の適用拡大などが控えていますので、システムと事務処理の両面に万全の準備をしていくこととしています。
　このような基幹業務を進めていくためには、当機構が国民の皆さまから信認をいただけることが前提であると考えています。そういう意味で、事務処理の正確性の確保が大変重要であると考えています。このため、マニュアルに基づく正確な事務処理、組織横断的な事務処理誤りの防止への取組を確実に進め、組織全体に徹底し、事務処理誤りの再発防止に向けて徹底的に取り組んでまいります。
　国民の皆さまからは、これまでも多くのご意見をいただいてまいりました。そのご意見をできる限り業務運営に反映できるよう引き続き努力してまいります。

日本年金機構 理事長 水島藤一郎

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