「ななふく苑」は「高齢のろうあ者、中途失聴者、難聴者が聞こえなくても安心して暮らせる老人ホームを」という強い願いによって、平成18年4月に開所しました。
全室個室（1室のみ夫婦部屋）、1ユニット6名～8名、計10ユニットの小規模生活型（ユニット型）特別養護老人ホームです。
埼玉県聴覚障害者協会をはじめ関係団体で構成する法人後援会による、5年越しの粘り強い運動により設立されました。
聴覚障害者向けの特別養護老人ホームとしては全国で5番目に設立されました（養護老人ホームを含めると8番目です）。
他に短期入所（定員5名）、通所介護事業（デイサービス/定員15名）、居宅介護支援事業の運営、毛呂山町地域包括支援センター支所の委託運営もおこなっています。
ろう高齢者とのコミュニケーションが十分にできるようにするため、多くの聴覚障害職員が仕事をしています。

■1.コミュニケーションが自由にとれる施設を！
人は、人との関わりなくして生きてはいけないといわれています。そして人と関わるときは｢話し言葉（聴く言葉）｣で伝えたいことを、伝えたいときに、話し、相手もまた返したいとき、すぐ返すことで、わかりあおうとします。同じようにろう者が伝え合う言葉は「手話（見る言葉）」です。しかし、手話を知る方が少ないため、伝え合えるには時間がかかります。人生のさまざまな場面で、人との関わりを作りにくかった高齢ろうの方は「思い切り話（手話）ができるといいなあ」「手話で話のできる人がたくさんいると毎日が楽しいな」とおっしゃっています。私たちは、「手話を使う人がたくさんいる、自由に話ができる環境があること」が高齢ろう者にとって大切だと考えています。

■2.ろう者が地域貢献できる入居施設を！
地域に、より開かれた施設を目指して、入居の対象者を高齢ろう者と限定するのではなく、聞こえる高齢の方にも利用しやすい施設作りを目指したいと考えています。

ノーマライゼーションの理念に基づき、聴こえないことと、聞こえることをお互いに理解しあいながら、暮らしていきましょう。

デイサービスは、外出の機会や人との交流が少なくなってきた高齢者に、日中を楽しく過ごしていただく場所を提供します。ご自宅まで車でお迎えにあがります。デイサービスに到着しましたら、健康チェック・入浴・食事・体操などのサービスを提供しています。

ご自宅から定期的に外出していただくことで、生活にリズムが生まれます。体や頭を使ったレクリエーションや、他の利用者・援助員との交流を通して刺激を得ることで、認知症の進行を緩和したり、生活の質の向上と心身の活性化を図ります。

■デイサービスななふく苑の紹介

●平成23年4月にオープンしました。小規模型で定員15名のアットホームなデイサービスです。

●営業日は月曜日～金曜日です。祝祭日も実施しています。

●昼食は、栄養士が考えたバランスのとれた食事をお出ししています。季節メニューも豊富です。

●利用者と一緒に昼食やおやつのメニューを考えて調理を楽しんでいただくこともあります。

●季節を肌で感じて、季節の移り変わりを楽しめるよう、お散歩やお花見ツアーに行きます。

●たまには買い物に外出して、ご自分で選ぶ楽しみを味わっていただけるようにしています。

●一日のプログラムは決まっておらず、一人ひとりに合わせた一日を過ごしていただいています。

●聞こえに不安のある方、高齢にともなう難聴のある方、聴覚障害をお持ちの方も、手話や筆談等で会話を楽しんでいただけるよう配慮しています。