私は、医師とは患者様の命を預けていただく、とても大きな責任のある仕事だと思っています。これまで、医療の現場で毎日多くの患者様と接しながら、常に「夕暮れ時に光がある」という聖書の言葉を座右の銘として心に刻んでまいりました。栃木県宇都宮市に比企病院の前身となる比企外科胃腸科医院を開設したとき、最初に診察した患者様は70歳代の男性でした。脳梗塞で倒れ寝たきりとなった奥さまを抱え、「地方には、老人を看てくれる病院が少ない」とつぶやいた一言は、今でも忘れることができません。老人医療の現実を目の当たりにし、私は「夕暮れ時に光がある」――人生の夕暮れ時に光を得て「よい人生であった」と長生きを真に寿いでいただくこと、希望を与えてさし上げたいとの思いで、老人医療に取り組んでまいりました。現在、日本の医療の現場はさまざまな法改正の波にさらされ、困難を極めています。どんな時代にあっても、お年寄りは人生の先輩です。その先輩たちを大切にする病院でなくてはならない。その思いは、開設時から変わりません。

私は今までの経験を通して、病気の早期発見・早期治療の大切さを痛感いたしました。健康寿命を伸ばすためには、常に自らの健康に関心を持ち、健康づくりを心がけ、定期的に健康診断を受けること。つまり、健康であるときから自分の体や心を管理することが必要なのです。そのため当院では健康寿命の維持、増進を目的とした健康管理の拠点となる附属施設「健康管理センター」の開設に取り組みました。ここでは健診のほか個々人に合わせたきめ細かな保健指導を実施し、地域の健康づくりをサポートする情報発信基地を目指します。さらに更生医療指定医院の認可病院として、夜間透析も実施する「透析センター」をより充実させ外来患者様のニーズにお応えします。

外科胃腸科を経て老人医療からスタートした比企病院は、今、「健康管理センター」「透析センター」を備えた地域の医療施設として、新たなステージに向かおうとしています。これまで培ってきたノウハウのすべてを生かし、医療を通して地域の皆さまの健康に貢献できるよう努力してまいります。皆さまの一層のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

医療法人社団 大衛会 比企病院 理事長・院長
比企 達男

すべての診療科において、入院および一般外来患者様を対象とした専門医療スタッフによる継続的な治療を行っています。

■内科
内科全般にわたる疾患のブライマリ・ケア（初期治療）を行います。投薬、医療器具による治療の他、生活指導等も行います。

■胃腸科
胃や腸、消化管（食道・胃・十二指腸・大腸）と肝臓・胆のう・胆管・すい臓など病気を治療します。

■外科
外科は手術等により病気を治療する診療科です。公的病院、大学附属病院と連携し、できるだけ患者様の生活の質を損なわないよう配慮して治療にあたります。

■肛門科
痔核、裂肛、痔瘻等、肛門疾患の治療に当ります。

■皮膚・泌尿器科
老人医療には欠かせない診療科のひとつ。褥瘡等の難治性の皮膚かいようやアレルギーによる皮膚疾患、泌尿器等の治療を行います。

■整形外科
人体の運動器官の病気や外傷を扱う診療科です。高齢化に伴う腰痛や骨粗鬆症などの治療について、お気軽にご相談下さい。

■放射線科
すべての患者様が、安全に、より快適に放射線検査を受けられるよう、設備・技術の拡充と安全管理に努めております。

■リハビリテーション科
各診療科と連携し生活機能の回復を図ります。老人病院のノウハウを生かし、リハビリテーション医療に取り組んでいます。