きまたクリニックでは外科、内科、整形外科の経験を元に、一般内科診療、ベッドサイドで可能な小手術、骨折の初期治療、腰痛などのリハビリテーションなどを広く行なっています。
　上階にサービス付き高齢者向け住宅が併設されていますが、クリニックは高齢の患者様に限らず、広く一般診療を行なっています。特にリハビリテーションは、平成24年10月からは理学療法士3名が常駐し、予防介護から通所リハビリテーションまで可能です。

「フットワークを軽く！」がモットーの院長

　木全秀人（きまたひでと）。愛知県がんセンター、岐阜県立多治見病院、名古屋大学病院、東名古屋病院などで、外科医として甲状腺、乳腺、肺、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓などの手術に携わる。
　その後、高齢者社会を迎えるに当たり、内科・高齢者医療の必要性を痛感し、済衆館病院などで療養型病床、東濃在宅診療所・東野ホームクリニックなどで在宅医療の経験を積み、平成24年7月愛知県日進市赤池南にきまたクリニックを開設。

～ご挨拶（院長 木全秀人）～

　当院は平成24年7月、木全クリニックビル１階に「きまたクリニック」を開業、同時に２階・３階に同チームとしてサービス付き高齢者向け住宅「まほろ」を開所しました。

　きまたクリニックでは外科、内科、整形外科の経験を元に、一般内科診療、ベッドサイドで可能な小手術、骨折の初期治療、腰痛などのリハビリテーションなどを広く行なっています。
　上階にサービス付き高齢者向け住宅が併設されていますが、クリニックは高齢の患者様に限らず、広く一般診療を行なっています。

　サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、2011年まで高齢者賃貸住宅(高専賃)、高齢者優良賃貸住宅(高優賃)と呼ばれていたものの改良版です。
　高齢者の増加に伴い医療費が増大しましたが、政府は表面的に医療費の増加を防ぐため、病院での療養型・介護型病床を削減し、動けないご老人の患者様たちの受け皿を民間に丸投げしました。その結果、老人事業が活性化したのですが、実際は金儲け目当ての、医療も看護も何も出来ない「姥捨て山」のような老人施設がたくさん作られ、高専賃自体が悪い物のような見方をされるような風潮が出来てしまいました。

　そこで私は「町の医者」として地域に密着したクリニックを開業すると同時に、医療・看護・介護の充実した、患者様主体の施設を作ろうと、サービス付き高齢者向け住宅「まほろ」も開所しました。同じビルの1階にクリニックがあり、2階・3階に「まほろ」があることで、日中も「まほろ」入居中の患者様に著変があらば、すぐに駆けつける事が出来ます。夜間は、介護士も24時間常駐していますし、私も4階の当直室で毎晩泊まり込んで当直をしていますので、やはり直ちに対処が可能です。

　老人施設なんてどこでも同じでしょ、とお考えの皆様、あなたの今入っている施設は、医者や看護師が来ていますか？　患者様はどれくらいの頻度で診察を受けていますか？　ご家族様であれば、その施設を訪れた際、医師や看護師から十分な説明を受けていますか？

　私には90歳を過ぎた祖母がいました。私の母親が主介護者としてずっと自宅で同居をしてきましたが、骨盤にひびが入って入院して後、動けなくなり老人施設に入れました。その施設は外観はホテルのようにきれいで新しい立派な施設でしたが、入所してしばらくすると祖母の体重がどんどん減っていきます。よくよく尋ねると、年齢的な軽度の認知症があり固いものはペッと吐き出すので、「自分達介護士が大変だから」カロリーの少ない、吐き出すことのない流動食にされていました。体重が3kgも減り30kgを切りそうになった時に、さすがに見るに見かねて、食事形態を再検討して、もっとカロリーアップを図るべきでは？と要望を出しましたが、その返答は「体重が増えたら、介護が大変でしょ！？介護しているのは私たちですよ！？」と言われてしまい、びっくりしてしまいました。元気に歌を歌っていた祖母は、次第に元気がなくなり、喋らなくなり、一日中、車椅子でうなだれて座らされているだけの生活になってしまいました。
　このままではダメだと思いその「立派な」施設を退所させ、祖母には「まほろ」の第一号入居者になってもらいました。臀部に出来ていた褥瘡になりかけの皮膚の発赤・ただれは半月で改善し、食欲は旺盛、1か月で体重は元に戻り、以前のようによくしゃべり、歌も歌えるようになりました。
　「まほろ」に転居して1年3か月後に祖母は亡くなりました。致命的になった病気は特になく、老衰でした。

　ご高齢になられたご家族が亡くなる時、どこで最期を迎えさせたいか、との調査に「ご自宅で」と望まれる方が増えています。まだお若い方がたまたま事故や病気で危篤に陥られた際には、回復の可能性がある限り徹底した延命処置も推奨されるべきと思いますが、ご寿命で亡くなられる際にはともすれば無機的な病室よりも、ご自宅で、という気持ちもとても納得がいきます。しかし、現実的には病状が重くなったり介護の手間が増大したり介護期間が長期に及ぶと、ご自宅では家族の方が疲弊してしまいます。そんなご自宅の代わりになるような、静かで暖かな場所、しかし、出来る限りの介護、看護、医療も提供出来る場所を、「まほろ」は提供したいと思っています。

　どなたにとっても患者様は大切なご家族です。祖母が前に入居していた施設で体験したような悲しい思いは、私が関わる病院や施設では誰にも体験させたくない、という思いでこれからも取り組んでいきます。


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