司法書士と聞いて、何をする人だろうと思うでしょうか？不動産登記や会社の登記の専門家と思っている方が多いと思いますが、実際に私が受ける仕事のほとんどは不動産の登記でした。

ところが、とてもお世話になった方が亡くなって、遠方に住むその方のご子息から遺産相続の手続きを依頼されました。銀行預金口座が多数あり、株式などの有価証券もありましたので、とても大変でした。でも手続きを進めていく中で感じたことが、その方の残した財産の一つ一つに想いがあり、それを引き継いでいく仕事はその想いを引き継いで実現していくことだということでした。

司法書士は国民の権利保護に寄与するものと法律に定められています。
権利を保護するとは、その人の想いを実現することに通ずると思っています。

これからの人生をどう生きようと決めるとき、遺言を書くことで自分の財産を次の世代に残そうと思うとき、自分の想いがうまく伝えられなくなってしまうとき、親が残してくれた財産を引き継ぐとき、とても大切な想いを実現するときに、寄り添ってその想いを法律上実現する手助けをしていたいと考えています。


　司法書士　乾 隆
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―― なぜ、いま終活が必要とされているのでしょう ――
終活とは、人生の最終章を考えることを通じて、自分自身を見つめ、今をより良く生きるための活動です。自分の人生を振り返り、整理することで、残された人生を悔いのないように生きることができます。

【 エンディングノート 】
　・自分の人生の振り返り、思い出を整理
　・介護や療養、葬儀の希望
　・残したい財産について
　・遺族へのメッセージ
形にとらわれず、自由に書いて結構です。心の整理ができます。
自分の生きがいや、やり残したことを思い出すきっかけになります。

【 より良い人生を生き抜くための支援 】
高齢期におけるいろんな心配や不安が出てきます。生活の支援や福祉へつなぐことも必要な場合もあります。
体の衰えや認知症になったとき　周りに迷惑をかけたくないという思いもあるでしょう。
そんな時にそばで支えるための制度があります。
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　《 見守り契約 》
将来支援が必要になった時に備えて、定期的に連絡を取り合いながら、生活状況や健康状態を確認します。

　《 財産管理委任契約 》
まだ認知症とまではいわないけれど、不安を感じるとき、預金通帳や権利書などの貴重品の管理、銀行預金の引き出しや振込などの手続き代行、日々の収入や支出の管理を支援して生活を支えます。

　《 任意後見契約 》
将来ご自分の判断能力が衰えた時にそなえて、あらかじめご自分で選んだ支援者（任意後見人）と間で、生活、療養看護、財産管理に関する約束事を公正証書で結んでおきます。本人の判断能力が低下したら、任意後見人は、家庭裁判所の選任した任意後見監督人の監督のもとで、本人を代理して、その約束事を本人の意思にしたがった形で実現していきます。

　《 死後事務委任契約 》
ご自分が亡くなられた後の事務、例えば親族への連絡、葬儀やお墓、永代供養、家財道具の整理などを、お元気なうちに契約で決めておくことです。

―― なぜ、遺言書を残しておいた方が良いのでしょうか？ ――
遺言書は、ご自分の財産や想いについての最後の意思表示です。ご自分の財産を誰にどのように引き継いでもらうか、特別にお世話になった方に財産を残したい、そんな想いを遺言書は実現してくれます。
もし遺言書がない場合は、法定相続といって、民法に決められた相続人が遺産を分けることになります。

【 遺言を残しておいた方が良い例 】
（1）子供がいなくて、配偶者と兄弟姉妹が相続人
（2）再婚だが、今の配偶者との間にも元の配偶者の間にも子供がいる
（3）配偶者の連れ子にも財産を残したい
（4）内縁関係の相手に財産を残したい
（5）相続人以外の世話になった方に財産を残したい
（6）法定相続人がいない
（7）相続人のうちに行方不明になっている人がいる
ただし、遺言書を有効なものとして残すためには、民法で決められた要件にしたがって作成しなければいけません。
遺言書には、公正証書遺言・自筆証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。

―― どんな場合に、成年後見制度を利用したら良いのでしょうか？ ――
知らない間に、高額な羽毛布団を何セットも買っていたり、要らない健康食品が積んであった、など、高齢者を食い物にする詐欺的商法が横行しています。また、介護が必要になり施設に入所したほうが良いと思われても、本人の判断能力が衰えていて、契約を結べる状態ではない場合も困ります。

認知症や精神障がい、知的障がいなどにより、判断能力が不十分あるいは無くなってしまった方について、詐欺的な商法から本人を守ったり、本人に代わって介護施設への入所契約を結んだり、不動産の売却、遺産分割協議などを実行できるようになります。


　1．任意後見
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まだお元気なうちに、ご自分が選んだ人を任意後見人として指名して、将来判断能力が衰えた時に、生活や療養看護、財産管理について代理権を与えるという契約を公正証書で結ぶものです。
本人の意思を尊重した適切な支援が可能になります。本人の判断能力が低下した場合に、任意後見人が家庭裁判所に申し立てて、家庭裁判所が選んだ任意後見監督人の監督を受けながら、契約に定められたとおりに支援します。

　2．法定後見
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既に判断能力が低下してしまった場合に、家庭裁判所が本人の状態に応じて適切な支援ができるように援助者（後見人、保佐人、補助人）を選任する制度です。

―― 遺産相続にお悩みがあれば… ――
身近な方が亡くなられて、慌ただしい日々が過ぎた後に、遺産相続のことにとりかからないといけません。
↓ こんな悩みを抱えて困ったときはご相談ください。
　□ どこにどれだけ財産があるかわからないので、調べたい
　□ 誰が相続人になるのかわからない
　□ 相続人が全国に散らばっており、ほとんど交流のない人もいる

【 手続きの流れ 】
（1）財産の調査（不動産・預貯金・株式などの有価証券・車など、年金や保険の手続き）
（2）相続人の調査
（3）遺産分割協議
（4）遺産分割・承継手続き
それぞれ名義変更や承継の手続きは異なっていますが、相続人の方全員から委任を受けて全て代行します。

◎相続税の申告が必要と思われる場合は、相続税に精通した税理士と連携して対応します
◎ご自宅の遺品（動産）の整理や処分が必要な場合は、信頼できる遺品整理業者と連携して大切な思い出の品は残しながら、整理のお手伝いをします
◎相続放棄…遺産以上の借金があることが判明した場合は、相続放棄の手続きをしないと、借金を引き継ぐことになってしまいます