■不動産の買取りとは何か
一般的な不動産の売却とは不動産会社に仲介を依頼し、第三者である一般買主に対して不動産を売るというものです。
一方、買取りとは不動産会社が不動産を直接買い取り、売買契約の当事者になります。
不動産会社がリフォーム工事などを行った上で売主となり、再販売を行います。

■買取りの一般的な流れ
1.調査・査定：不動産の調査・査定を行います
2.審査：不動産会社で、購入可否の審査を行います
3.購入条件提示：不動産所有者に対して、購入価格・諸条件を提示します
4.売却申込：売却申込書に署名・捺印を行います
5.売買契約締結：不動産会社との間で不動産売買契約を締結します
6.代金支払・引渡し：代金支払いと同時に不動産の引き渡しを行います

■不動産買取りのメリット
1.一般的な売却と比べて、迅速に売ることができる
一般的な売却の場合、販売活動に1～3ヵ月、売却の契約から代金の受取りまでに2～4ヵ月かかります。
一方、買取りの場合は売却価格等の条件面での折り合いさえつけば、数日で売買契約が成立する場合もあります。
2.仲介手数料が不要
一般的な売却の場合は不動産会社に対して、仲介手数料を支払わなければなりません。
3.時間や精神的負担が軽くなる
買取りでは不動産会社の査定のみになるため、一度部屋を見せるだけでいいという場合が多く、内覧対応の手間がなくなります。
さらに、手続きがシンプルになるというメリットもあります。

■不動産買取りのデメリット
買取りは売却価格が安くなる傾向にあります。
高めの価格設定をした場合、なかなか売れずに結局は値下げをせざるを得なくなる、という事態も想定されますのでよく考えたうえで選択してください。

マンションを売却する際、何も対策をしないのと積極的に対策をするのとでは大きな差が出ます。
具体的な対策として、不動産会社による買取り査定、買主による見学時に気をつけるポイントについてご紹介します。

■清潔感など対策可能なことは実践する
1.住まいの現地見学においては、第一印象が重要
第一印象で清潔感があり、快適な空間と感じてもらえることが理想です。
整理整頓を心がけて、特に水回りの掃除は念入りに行いましょう。
2.部屋の明るさや開放感などもポイントになる
日光が入ってくる場所に家具など物を置かないようにし、カーテンや窓を開けて明るさや広がりが感じられるようにするなどの工夫が可能です。
また、不動産会社の査定を高くするためには床や壁の修復やキッチン・給湯などの設備のメンテナンスが重要になってきます。

■高く売却するためのリフォームは有効？
リフォームを行っても、リフォームの費用の分だけ売却価値が上がるとは限りません。
リフォームはかかったコストと売却価格への影響を考慮して、慎重に決定する必要があります。
小さな傷や汚れの修復であれば、自分で行うことが可能な場合もあります。
しかし換気扇やエアコンの掃除、その他どうしても落とせない汚れなど、自分行うことが難しいものについては清掃会社に依頼するという方法を検討しましょう。

■不動産会社選びも重要ポイント
マンション売却の仲介の依頼を受けた不動産会社には、「媒介契約」の締結が法的に義務づけられています。
媒介契約の内容は、売却するために不動産会社が行う業務の内容や仲介手数料の取り決めなどです。
それらを明確にして、円滑な売却が実現できるように不動産会社にサポートを依頼するわけです。
媒介契約には以下の3種類があります。

1.一般媒介契約
複数の不動産会社に同時に仲介を依頼することができる契約で、自分で見つけてきた買主（親戚や知人と直接交渉した場合など）とも、不動産会社を通すことなく契約することができます。
他の契約のように、不動産会社に売主に対する義務は発生しません。
2.専任媒介契約
仲介を1社の不動産会社にのみ依頼する契約で、他の不動産会社に重ねて仲介を依頼することは禁じられています。
しかし、自分で見つけてきた買主（親戚や知人と直接交渉した場合など）とは、不動産会社を通すことなく契約することができます。
また、不動産会社は売主に対して二週間に一度以上、文書による業務報告義務が生じます。
さらに売却物件を指定流通機構に、7日以内に登録しなければなりません。
3.専属専任媒介契約
自分で見つけてきた買主（親戚や知人と直接交渉した場合など）についても、依頼した不動産会社を通して取引きすることが、契約で義務づけられています。
不動産会社は売主に対して一週間以内に一度以上、文書による業務報告義務が生じ、指定流通機構への物件の登録義務は5日以内になります。

どの種類の媒介契約を選択するかは、考えている売却方針を踏まえて選ぶようにしましょう。
また売却においては、最も適切にあなたの物件を売却してくれる不動産会社を選ぶことが重要になってきます。
情報を集めて、できるだけ適切な不動産会社を選ぶようにしましょう。